終わりたい、終わりたくない、終わらない?

子育てって、いつ終わるのでしょう。
義務教育が終わったら?子どもが家を出たとき?社会人になったとき?
成人したとき?子ども自身がそう決めたとき??

然るべき時期が来たらすっきり子離れしようということは、子どもを持ってすぐに決めていました。いつも意識して育てていました。その分、育てている間はできるだけのことを本気でやろうと考えていました。至らないゆえに、頑張ってもダメダメなことばかりでしたけど、自分の能力ではこれが限界というところまでやったと思います。

3人の子育ては、期間が長いです。ひとりひとり、困ったこともしてくれて、何度も辛い思いをしたし、泣きました。こんなに大変だったから、終わったらやりきった満足とともに解放感に浸ることだろうと、思っていました。法律が変わり、高校を卒業したばかりの末っ子も春から成人です。3人全部成人させたことになります。もうさすがに、とっくに、子どもたち自身には育てられている感覚などないでしょう。私の子育ては終わったと言って良いと思います。

まだ3人とも学生で、年に数回、実家である自宅に帰省してきます。
かつてこの家で、大騒ぎしながら5人で暮らし、3人の子育てに追われていた生活から、とても静かな大人だけの生活になり、普段はその穏やかな毎日に不満もなく、むしろようやく訪れたこの時間にホッとしていると思うのですが、年にほんの数日5人揃うと、もうあの日々は戻ってこない、5人いることのほうが非日常の貴重な機会であることを思い知ります。

やっと子育てが終わったばかりだから、慣れていないのだと思います。自分がこれまで生きてきた半分の時間を子育てに捧げていたのだから。

早く解放されたいと思っていた頃に戻りたいのかといえば多分それはまた同じように辛いだろうし、でも手元にいなくなってせいせいしているかと言えば、みんな家にいるつかの間が夢を見ているみたいで、覚めてしまうことが悲しいような、親心はややこしいものです。

子育て中に、いくら年長者から「今が一番良いのよ」と言われてもすんなりそうかと思えるものではないですが、先が見えない、長いと思う子育ても、終わるのですよね。これはほんとのこと。節目に戸惑いを感じる心にも素直に従いながら、人生次のステップをしっかり見つめたいと思いました。