開店にあたり取引先にお取引のお願いを始めて、最初から打ちのめされました。
「新潟ですか?難しい地域ですよ。採算あるんですか?」と言われたこと。がーん。
新潟に私が好きなおもちゃの専門のお店がなかったから、自分でつくろう、きっとそんなお店を探している人はいるよ、と思っていただけに、そのような店が成り立たない土地であることを知らされた時のショックと不安。私自身新潟出身ではなく、新潟歴も浅く、反論できる材料が何もない。もう、最初から『成り立たなければやめよ』というヘタれた考えで開店に至りました。
1年続いてビックリ、3年続いて驚き、5年続いて、お?と思い始め、その頃から、もしかしたら続けられるかも、と感じたと思います。始めのうちは開店日も時間も少なく、赤字というか、仕入れの年間ノルマを達成するのも大変だったこともあります。取引先から「もうちょっと頑張ってください」と言われたこともあったっけ。
でも、なんだかんだと続けて来てくださる方がいらして、それは何年にも渡っていて、まだ幼稚園にも通う前だったお子さんが、いまや中学生、高校生なんですが、長い期間にわたってお付き合いくださる方には本当に支えられました。何よりの宝です。
しかし、売上とかそういうことより、今でこそうちの子はみんな10代になり、小さいころのような手のかかり方はないですが、最初の5年は、子育てとの両立が一番苦しかったなあと思います。助けてくれる人がいない中で、私は決してよく頑張ったとはいえない。子どもたちや家庭を、ずいぶん犠牲にしてしまった気がします。手を抜けば良かったのかもしれないけれど、手が抜けなくて理想に追いつけなくて、そのいら立ちを結局家族にぶつけていたかなあ…今思うと、そうです。まあ、その頃の苦しみから抜け出したくて、自分も継続して治療したり勉強したりしたので、どのような過程にも無駄はない、ということにしておきます。