デンマークに行ってきます

5月13日から21日まで、デンマークに行ってくることになりました。今回の旅は、わりと勢いで決めました。またとないチャンスだと思ったからです。学びの旅です。

テーマは「人が育つ国・デンマークに学ぶ」です。幼稚園・保育園や小学校、学童、特別支援学校などの教育現場、社会福祉施設など、たくさん見学させていただけるプログラムであることに惹かれて決め、現実感のほうがあとから付いてくるような気分がしばらく続きました。我が家の子どもたちは手元から巣立ち、自分はハッと気づけばまだまだ将来に大きな夢を描く年齢は過ぎていました。いつかとか、次の機会にとか、そういったものを待つ気持ちにはなれない。行けるときに行っておかねば、と思う心境になるものなんですね。

アメリカに渡り、モンテッソーリ教育を学んだことをきっかけに、自分で決めるとか、自立する、自由を得るということに対して貪欲になり、同時に日本の教育のあり方、子どもを取り巻く環境に疑問を持つようになりました。おもちゃ屋になったのも、おもちゃの中に自分が求めているものを見出し、子どもたちに遊んでもらう中で、自分で決めること、自由になることの心地よさ、それを求めることを知って欲しいという思いもあったと思います。それはおもちゃ屋キャリアを積む中で、あと付けで自覚していったことなのですが。

今回のデンマークは、おもちゃからのアプローチではないのですが、もっと直接多くのことを感じてくることと思います。本を読んだり、実際に見たり、そこで感銘を受けたとしても、日本を変える力なんかない。知れば知るほどもやもやが大きくなる。違いにがっかりして、日本を出ていきたくなるんじゃないか。知らないで、こんなものだと疑問を持たずにいるほうが幸せなのかもしれないよ。何のために学ぶんだろう、と思わないではなかったのです。

デンマークの旅に先立って、参加者同士での事前学習会が何度かありました。宿題を与えられ、プレゼンする機会もありました。そうやって出発前から知識を深めていくうちに、もやもやではなくて、意欲のほうが大きくなっていきました。良いものは広めて知っていただくほうが良いのです。自分で決める、大切にされる、自由を得るということは、知らないほうが幸せなんて言うことはないはずです。

言葉にするとまだ漠然としているデンマークの社会教育環境を、日本とはどんなに違って、それが幸福度にどう影響するのか、しっかりと見て、考えて来たい。そして、自分たちもそのような社会の中でそのように育ちたい、また生きたいと、1人でも多くの人に思ってもらえるよう、学んできたことをお伝えできたらと思います。

さて、そろそろ荷造りをしないと。