セムラが気になっていた

北欧を訪れ、文化や品物への関心が高まり、本を読んだりSNSを見たりしていると現れてくる『セムラ』という食べ物。なんでも、スウェーデンの人たちは、春の少し前に食べるこのセムラに熱狂していて、とても楽しみにしているとのこと。

見た目シュークリーム?なんだか、現地では食べる人は2個も3個もパクパクなど書いてありますが、重たそうなのですけど。意外と軽い、との噂も。クリームが溢れているのですけど。

そんなところへ、最近入れ始めた北欧雑貨の取り扱い商品のなかにセムラキットがあり、これは作ってみるしかないと思い、ようやく挑戦しました。

キットの購入はすぐにしたのです。で、開封して説明書を見たら、思ったより手がかかりそうでしばらく保留。バターやミルク、卵、生クリームが必要で、かなりリッチ。ケーキのように見えた土台は、パンなのですね。こねて発酵させて焼く手順となっていました。これは気合が必要だな、と思っていたところ、二次発酵の手前のところで「ここまではホームベーカリーの生地作りモードでもできます」とのことで、ある!ホームベーカリーある!捏ねと一次発酵はホームベーカリーにお任せすることにしました。

ミックス粉には何やらつぶつぶと、あまり親しみのないハーブの香り。これがセムラの特徴のひとつであるカルダモンですね。一次発酵は無事進み、成形です。10個分なので重さを計って10等分なのですが、ここはつい適当に10個に分ける。案の定大きさバラバラ。オーブンの発酵モードで二次発酵です。間隔を空けて並べてもよく膨らみ、くっついてしまいましたが、気にしないことにします。

焼きは7分から10分と時間短めです。多分、生地に糖分が多いことと、オーブンのクセもあって、上の色づきが早く、7分の時点でこれ以上焼くと黒くなりそうでストップしました。もう少し早く上をアルミホイルで覆うなどすればよかったのですが、よく焼けている上に対して下半分がちょっと心配。

さて、セムラのもう一つの特徴はマンデルマッサというアーモンドのペーストです。これが生クリームの下に入っているのですね。マンデルマッサをつくるために、キットに入っていたアーモンドを湯通しし、皮をむくという作業がありました。これは、つるんとむけて楽しい作業でした。

フードプロセッサーやハンドブレンダーが必要です。アーモンドを砕きながら、マンデルマッサミックスと牛乳と混ぜてペースト状にしていきます。アーモンドは少し粒を残したほうが良いとのこと。バーミックスのミンサーでガシガシやっていたら、勝手に粒は残りました。それにしても甘いです。マンデルマッサは甘い!

土台には三角の切込みを入れ、そこにマンデルマッサを詰め、無糖の生クリームを泡立てて上に絞り、切り抜いた三角を帽子のように被せる。粉砂糖を振って、旗をたてたら完成とのこと。絞り口金がなかったので、生クリームはスプーンで乗せました。土台の下半分はなんとか焼けていました。粉砂糖もカットして、旗は立てました。

デンマークを訪れていた間、何度も「デンマーク人は旗が好き、大好き」と聞きました。本当にそうで、旅の間も、見学させていただいた保育園でもあちこちに旗を見ました。旗好きはスウェーデンも同じなのでしょう。

そんなわけで、パッケージの写真とはなんか違いますが、セムラができあがりました。

いよいよ食べてみます。

確かに、パン生地ではありますが、思っていたより軽いです。生クリームも軽くて、パクっといけます。カルダモンとマンデルマッサと生クリームはトリオなのですね。それぞれ単体だと食べにくいですが、3つ合わさると相性良くておいしいです。マンデルマッサがとても甘いので無糖の生クリームと合うのですね。でも混ぜちゃうと違うのは食べていてもわかります。

土台に切り込みを入れて、中身を詰めてフタをするのは、まずフタでクリームをすくって食べるのに便利でした。そのため??

馴染みのない味で、2人ぐらしに10個もどうしようと思っていましたが(おすそ分けしようにもすぐ固くなるらしく、食べない分はすぐに冷凍とのことでした。)けっこうクセになる味で、解凍しながら楽しめそうです。このような、季節の食べ物となると1年後また楽しみになるのはわかる気がします。作っている間楽しかったし、反省点もあるので、また来年作ってみようと思います。本場でも食べてみたい。行ったら探してみようと思います。