御釜と水没林、山形旅行

自宅から車で3時間ほど、山形を訪れました。

最初に目指したのは、蔵王の御釜です。冬にはスノーモンスターと呼ばれる樹氷が見どころの蔵王、グリーンシーズンは、御釜という、火山によってできた火口湖が観光名所です。標高は高いのですが、道路が整備されていて、すぐ近くまで車で行くことができます。森林限界を超えた山地に、普段着の人々が普通に歩いていることには、山登り好きとしては違和感がありますが、手軽に訪れることができるのは良いですね。

御釜の中の水の色はエメラルドグリーンで、周りには雪はまだ残っていました。火山活動が活発なときは、水の色は白く濁るようです。一度見てみたかったので満足しました。

そして、更に奥へ。この先は山装備の人が向います。熊野岳1840mの頂上まで歩きました。傾斜も距離も大したことはなく、雪渓を歩く箇所もありましたが、楽しく歩くことができました。

5月の森林限界とは思えない暖かさ。寒さに震えるよりはありがたいのですが、これまでの経験を振り返ると、明らかに温暖化しています。ダウンやらニットやら持ってきましたが、最近は全然出番がありません。

山形2日目は、早朝から飯豊町の水没林にて、カヌー体験に挑戦しました。

水没林というのは、雪解け水を一時的に林の中に貯めておくことでできる、2ヶ月程度限定の湖です。湖面から木が覗きます。

水ぎわからとても美しい景色を堪能し、そして、カヌーで林の中を進んでいきます。水上を進まないと見ることができない景色に出会います。

カヌーの操縦は初めてでした。しばらくパドルの使い方を練習してから進んでいきますが、なかなか制御が難しい。止まらない、曲がらない、何度も他の方のカヌーにぶつかってしまいました。もっと自由に操れるようになったら、なお楽しいでしょうね。またやってみたいと思いました。貴重な経験でした。

八重桜が満開でした。緑を背にピンクのトンネルをくぐり、気分最高でした。

飯豊町のカヌーのあと、2時間かけて北上し、次年子という地を目指しました。Umuiというお店のランチが目的です。廃校となった13角形の珍しい形の校舎の2階に、お店はありました。看板メニュー「やさいの皿」には14種類の、野菜のみのおかずが溢れんばかりに盛られていました。

濃い味の野菜が好きなので、力強い野菜たちはとてもおいしかった。味付けが変わっていて、レタスにはいちごシロップがかかっていたような気がする。それがまたおいしかったです。ものすごく辺鄙な場所にあるのですが、わざわざ訪れて本当に良かったし、また行きたいと思っています。

なんというか、この旅は、生きるということを何度も考えるものになりました。都会と地方のあり方とか、遠いところの机の上で議論してるなら、この地に来て野菜を食べてカヌーを漕いでごらん、と思った。消費じゃない生き方。デンマークで感じた、方向性の違う豊かさ。想像よりはずっと心地よいかと思います。