子どもが過ごすお部屋をデザインする

今、継続して保育室の環境づくりに関わらせていただいています。そのお部屋の先生に、園児さんたちがどのように過ごしているか、どんなことが好きか、どんなところで難しさを感じているかお聞きします。どのように時間を過ごすことを思い描いているかもお聞きします。そして、一緒に家具を動かしてみたり、おもちゃの出し方を考えて、園児さんが過ごす場所をデザインしていきます。

私がいた現場はモンテッソーリの園だったので、室内に空間をつくらず、棚とテーブルを配置して、子どもが自分の好きなお仕事を自分のペースで進めることには抵抗がない、というか推奨なのですが、これが、先生方には私の思う以上にハードルが高いことをいつも感じます。抵抗を感じることを無理に進めてしまっても、先生は不安になりますし、先生の不安は子どもの落ち着きを奪いますね。こんなとき「まあ、やってみましょうよ!」と明るく背中を押してくださる園長先生の笑顔に、先生たちも、私も励まされます。

保育室の大きな空間を埋めても、これまでの保育が不安なく流れるように、日課をなぞりながら考えていきます。そして、しばらく様子を見ていただきます。「子どもが落ち着いて遊んでいる」「集中している」「穏やかである」「遊びが良い方に変わっていっている」保育環境を変えたことでそのような変化があったとお聞きすると、良かった、と思います。翌週お伺いすると、少し残した空間を、半端にせずきちんとデザインしようと相談していただいて、子どもたちと共に環境が作られていく様子にワクワクしています。

良いものができていく前向きな現場は、ご一緒させていただいてありがたいと感じます。私にも毎回が学びです。導入していただいた家具やおもちゃが、子どもさんたちの遊びのより良い道具となりますよう、引き続き関わらせていただけたらと思っています。