屋久島ではガイドさんをお願いしました。屋久島の山登りは、何を見てもハードと記されています。多少山経験があるとしても、それでもハードなのか。年齢によっても違うでしょうし。それに、世界遺産に登録されたほどの豊かな生態がある島とのこと、詳しい人に教えてもらえたら、知識が増えてより楽しいことだろうと思ってのことです。
10月の屋久島は人気シーズンのひとつで、希望する縦走宿泊登山を受けていただけるガイドさんはなかなか見つかりませんでした。探し始めが遅いということを知る。1件だけ、ようやく引き受けてくださったガイドさんが見つかりました。一安心です。
実際にサポートしていただいて、自分の山旅に合うガイドさんに出会えたことがわかりました。ゆっくりしっかり味わいましょう。無理はせずポイントを絞りましょう。出会いを楽しみましょう。そんな感じでした。ガイド経験は多分島で一番少ないのかなという若いガイドさんでしたが、体がしっかりしていて、30kgほどある重いザックを背負って、軽々歩く様子は頼もしく、ご飯をつくってくれたり、お茶を入れてくれたりと、のんびり楽しむことができました。
屋久島といえば縄文杉が目玉スポットで、目指す人が多いです。往復22kmで、なかなかの山道も含まれます。12時間ほどかけて日帰り往復するツアーが多いですが、これ、普段山に登らない人、歩き慣れていない人が参加すると、かなりきつい。いくつかのツアーが同じ行程で重なるので、縄文杉デッキも混雑気味。立ち止まってゆっくり眺めるのもできないとか。
私のツアーは、天候やらなんやらで二泊宮之浦岳縦走から縄文杉一泊往復に変更になりました。まず日帰りツアーが始発で出かけたあと、ゆっくり貸し切りでスタートします。どのスポットも貸し切りで、静かに森を楽しむ。急がなくていいから、心ゆくまで味わう。その場にいて、眺めていればいるほどいろんなことが自分の中に入ってきます。ただ通過するのはもったいないと思いました。
1日目は縄文杉がゴールなので、やはり貸し切りで、思う存分眺めます。テントに一泊することで、本当の暗闇と眩しい月明かりを体験し、そのときになんだか心持ちが変わったのを体験しました。それまでは頭と心に落ち着きがなかったと思います。普段、どれだけ違う時間軸で過ごしてしまっているか痛感しました。それを強制的にではなく促してくれたのはガイドさんでした。
限られた中で多くのリクエストに応えること、そうしてあげたい、伝えられるものは全部伝えたいと思うのは、私の仕事でも同じ。絞ることって勇気が必要です。良いサービスをしたいと思うほど、欲張らないことが大切。情報過多な時代であることは誰もがわかっているけれど、情報の絞り方はわからないかもしれないです。
たいてい、旅が終わって日常に戻ると、それまでのやり方考え方に戻ってしまいます。せっかく一度得たものだから、忘れないということを強く意識していかなくはと思います。
狭く深い方が、もっと知りたくてリピートしたくなることも体感。また訪れると思います。