おもちゃの使い方がわからない、とお聞きします。どうやって使うのですか、というお問い合わせもいただきます。見たことのないおもちゃが並んでいますから、そうですよね。戸惑われるのはわかります。私だって、自分の専門分野ではないものに直面したらそう思うでしょう。
その時の心情を思い起こすと「失敗したくない」という気持ちが元にあることに気づきます。もちろん、失敗したら怪我をするとか、壊れるとか、ムダにしてしまうとか、周りに迷惑がかかるとか、そういったことが大きな理由であることも多いですが、単にうまくできないことに対して尻込みすることもあります。
木のおもちゃは、小さい子が遊ぶことを想定しています。なので、怪我や破損は通常心配はなく、ムダにすることも、周りに迷惑がかかることもあまりありません。わからないことに対する自分の気持ち次第のところがあるかもしれません。小さい子ほど、何もわからなくても好奇心のままに堂々とおもちゃに手を伸ばします。その時点で、使っているし遊んでいると言えます。
それで良いのではないかな、と思っています。使い方がわからないとき、まずは触れてみたらよいかもしれません。なぜなら、店内のおもちゃの多くは、特別に決まった使い方があるわけではないからです。使い方のご説明というよりは、どのようなおもちゃかを説明させていただくことが多いかもしれません。他の人が遊んだ通りに真似るより自分で遊びを見つけたほうが数倍楽しいです。
Youtubeやテレビ番組で楽しそうにボードゲームを遊んでいて、それはやってみたい動機にはなりますが、やはり映像と同じように楽しかった、という楽しさ加減は、知らずにイチから遊んで得た楽しさよりはかなり低くなります。インスタで見たおもちゃと同じもので同じものを作った時もそうだと思います。
きっかけは大切ですが、自分で探りに行く楽しさを大人もぜひ体験していただけたらなと思います。自分で考え、試す子どもを育てるには、周りにいる大人の好奇心が良い刺激になります。おもちゃの使い方は、ワクワクする気持ちから。