社会問題とクルテク、アナログゲームの可能性

店が医学町ビルに移ってからの毎日が過ぎていく速さは、体感として松美台にいた時の2倍以上です。メディアで紹介していただくことも増えました。入り組んだ住宅街でひっそりとお店を開いていたときに比べると表に出たのだと思います。同時に自分たちを取り巻く環境の変化が、店で取り扱っているものと対象としての視点を持たれることが多くなったと思います。それは、デジタル対アナログです。デジタルというのはほとんどスマホに絞られます。スマホ問題も多岐にわたっていて、SNSで疲れている人から、人と関わりを持たず引きこもる人まで、なんでも受け入れる魔法の箱なので一言で表せませんが、子どものためのものを扱う店なので、子どもにとってのスマホ問題が中心のようです。(私は、これからは、当たり前につかいこなす世代が親になり、孤独な育児生活に入った時に、子育てママのスマホということも、もっと取り上げられるようになってくるのではないかと思っています。)

現在は中学生くらいからスマホを持つ子が増えているようです。低年齢化していると感じますが、それはさらに進むでしょう。私自身が中高生の親なので、スマホを持ち始める現役世代と濃密に関わっている状況です。学校からの指導にスマホ依存に対するものが増えました。保護者向けの講演会などでも毎年開催されています。中には、高校生自身が依存状態にある自分たちに危機感を持ち始め、現状を分析したいとインタビューの申込をいただいたこともあります。

近年で急速に明らかになってきたスマホ問題なので、みんなで手探りの状態だと思います。手探りでつかんだひとつにアナログがあって、アナログのクルテクにお問い合わせをいただいているようです。

クルテクにとってのアナログゲームは、出発点が、家族で楽しい時間を、そして子どもの頃の良い思い出に、ということでした。私の子どもの頃にそれがあって良かったと思っているのでご紹介したかったのです。だから、取り扱うゲームは子ども向けが中心です。
私が生まれた時からデジタルゲームがこんなにあったわけではないので、アナログゲームはただ大人がかまってくれる楽しい時間だった。ハレでした。でも今は、洗練されたデジタルゲームをいつでも一人で十分に楽しめます。ハマるようにとても良くできています。年々、デジタルゲームを減らすためのアナログゲームという位置づけを求められているのを感じます。そうなると、私はデジタルゲームの事をほとんど知らないので、アナログゲームがそれに対抗できるか、またどうすればとって代わることができるかということはよくわかりません。考えれば考えるほど、私のアナログゲームは家族の楽しい共通の趣味でしかないなあという結論になります。

アナログは面倒そうだけど、マイペース思考向けだと感じます。ゲームだけでなく小さい子向けのおもちゃも同じです。考えている時に自分のペースを守れるのって、ストレス減ります。これは試してみていただきたいなと思います。
アナログなものが好きだからデジタルに関心がない、という人はあまり知りません。アナログ好きは、マイペースで好奇心旺盛なことが多いので、デジタルも普通に楽しく受け入れていると思います。視野が広いということでしょうか。選択肢がたくさんあるというか。アナログが役に立つとしたら、そういうことかもしれません。いやほんと、きれいで楽しいおもちゃやゲームが世の中にはたくさんあるんですよ!やっぱり、難しいことを考えようとしないほうがいいかも。そういうのを楽しんでいただきたいです。