買ってあげる

クルテクは店なので、よく『買う』ということに対する葛藤が生まれる場所です。
具体的には、ある何かを買ってあげたいと思ったときや、子どもが欲しいと言ったとき、です。

1)お誕生日やクリスマスではないのにおもちゃを買うことの罪悪感
その感情がとても良く理解できます。おもちゃはすぐ買わないと生死に関わるようなものではなく、むしろけっこう贅沢品というか、なくてもなんとかなるものだけに、後ろめたくなります。おすすめしている私もその思いから離れられませんでした。
それで、あるとき先輩に相談したときの返答が、励まされるものでした。それは、「おもちゃの力を信じることです」というものでした。そのとき遊ぶ意欲が高まっている子どもには、力のあるおもちゃは食べ物と同じく飢えを癒すものであり、必要性を感じていれば罪悪感は不要ということでした。でも、できればお誕生日やクリスマスの機会にそれから1年遊べるものが少しずつ増えていくとより良いですよね。年齢が上がるに従ってそうなっていくと思います。

2)子どもが欲しがったときに買ってあげるということが教育上どうなのか
こちらについては、まず大切なのはそのための予算の優先度ですよね。誰にとっても限られた使える金額の中で優先させていかなくてはいけないことがあります。その中で、いくら子どもが欲しがってもその時の優先順位が低ければ迷わず今はそのためのお金はないのだということを伝えていいと思います。
次に、子どもは欲しがるが親としては価値を見いだせないとき。それは次の問題ともつながると思うのですが、買ってあげることはできるが、欲しいものが簡単に買ってもらえるという癖がつくことが教育上よくないのでよく考えさせる、また我慢させるというときです。
私は、子どもがものを欲しがったときが、親の価値観を伝える機会だと思っています。良いと思う、また買ってあげてもいい思ったものは買うが、いくら欲しがっても必要性を感じないものは買わないということを伝えることで、子どもはその家庭の基準を身に着けていくのではないでしょうか。本だけは好きなだけ買ってもらえたとか、習い事はやりたいと言ったらやらせてもらえたなど、自分たちも育ってきた中で経験があることで、親が何を大切に考えてきたかが自然と伝わり、またそれが少なからず自分を形成していることにも気づきます。一度は買ってもらえたけど大事にしなかったので次はダメだったというのも大切な経験だと思います。実際はなかなか手ごわいです。粘り勝ちに持ち込もうとしたり、買ってくれそうな人にリクエストしたり、大きくなれば自分のお金というものも扱うようになってくる中、子どもが欲しがったときに一緒に親の価値観を伝えていき、また子どもの価値観を共に見つめるチャンスとして決定をしていくことができると良いです。

小さい頃だけではなく、大きくなるに従って悩ましくなる問題です。家庭内だけの話ではなく、連絡はLINEからしか来ないからスマホは必須なんだ、と言われたらどう価値観をすり合わす??などなど。
私もずっと悩んでいきたいと思います。