アメリカで教育学の学士まで修めた後、帰国することを選びましたが、日本での就職はモンテッソーリ教師の資格があることがきっかけで引き続きモンテッソーリを実践している園で働くことになりました。私が取得したAMS(アメリカでのモンテッソーリの資格)は東京のその園で採用していたAMI(国際モンテッソーリの資格)と比較すると柔軟というか、伝統にこだわりすぎていない面はありましたが、現代に合わせたモンテッソーリをAMSで経験できたのは良かったと思っています。伝統的なメソッドの中では重要視されてこなかったごっこ遊びやお話の世界を、AMSはうまく取り入れていたように思います。きっとモンテッソーリがもう少し続けて研究していたら肯定的に取り入れたのではないかとも言われています。私がモンテッソーリメソッドに好意を持てるのは、伝統の手法のみにこだわらず、幅広く捉えたものに触れられたからかもしれません。職場ではハラハラされたこともあったと思いますが、受け入れていただけてありがたいことでした。アメリカと、東京のこの2園での経験が、私にとって学生時代に学んだ保育より魅力的なものとなり、土台となりました。
つまり…
私は、養成校や実習園で学んだ、多分王道の保育は経験としては知りません。学生時代の保育実習の成績は悪かったことを思うと、そもそもやっていけなかったと思います。大人用と子ども用があることに違和感がありました。子どもが好むと言われているものに、自分を合わせることが苦手でした。自分が経験してきた保育は、「感性が子どもっぽい」ものがあまりなくて、落ち着けました。それが好きで、新潟に移ってからも勤めるなら、また子どもをお願いするならそのような方針の園にしたいと思って探しました。けれど、情報も少なかったためか、見つけられませんでした。それで、子どもを保育園に預けて自分も保育をするという選択ではなく、もうひとつやりたかったこと、おもちゃを扱う仕事の方に進みました。私がおもしろいと思って経験してきた保育では、今扱っているようなおもちゃがたくさん使われていました。園での子どもたちにも、おもちゃで遊ぶ時間がたくさんありました。私もおもちゃを使った保育経験を通しておもちゃの虜になっていました。