ギャラリー蔵織さんへ、塚田純子回顧展

仕事を早く終えることができたので医学町ビルからすぐご近所のギャラリー『蔵織』さんへ、『塚田純子回顧展』を見に行ってきました。

布を継ぎ合わせた作品、パッチワークですね、それから刺しゅうなど、布作品の展示です。とても手間のかかる作業に20年没頭し続けた、その跡に圧倒されました。
私は、小学校高学年の頃から15年くらい、手芸やミシンが好きでした。フェルトマスコット、刺しゅう、ビーズアクセサリー、パッチワーク、服作り、編み物、紙粘土細工などいろいろ。高校生の時のサブバッグはずっと手作りで、卒業アルバムの友達からのコメントにはそのことが書かれていたくらい。そういった作業から離れて随分経つので忘れていましたが、展示された作品を見て、構想から材料を並べ、ハサミを入れて、針と糸を持ってつなぎ合わせていく、その作業に夢中になっていく、その様子が浮かんできて、その時の心境を思い出し、想像しながら作品に見入っていました。

ドイツのおもちゃ村、ザイフェンを訪れたときも、同じようにおもちゃづくりをしている光景がありました。『つくる』日常が生み出すものに心動かされたこと。なぜ自分はそこから少し離れてしまったのだろうな、あれほど好きだったのに、と考えました。今はいつも急いでいて、ゆっくりものをつくる時間がもったいなく感じられます。そんな心持ちに優しく語りかけてくれるような、そんな展示でした。

蔵織さんにはクラシックCDのお店、コンチェルトさんや、お着物をご紹介しているお店、縁さんが入っていて、それぞれ雰囲気がマッチしていて医学町ビルみたいでした。そんな場所が点在しているこの界隈で、少しゆっくり周りを眺めてみたいな、と思いました。