ドイツの木のおもちゃを扱って思うことがいくつかあります。
ドイツの木のおもちゃと言っても本当にいろいろありますが、日本の輸入代理店が、見本市やメーカーで実際に見て、厳選して輸入しているものに絞ります。
キーワードは、
・遊ぶためのものであること
・安全であること
であるように思います。
おもちゃのことを、装飾品ではなく、遊び道具として見ています。
視点を変えて言うと「遊ぶことに支障がなければ細かいことにはわりとざっくり」。
たいていが主に人の手を介してつくられており、きっちりと均一なものができる工業製品的な仕上がりではありません。
ひとつひとつが違うことに対しても、文化的にも日本より寛容というか、あたりまえ的な考え方だと思います。
ある製作工程に携わっている人が変更になれば、これまでとニュアンスの違う見た目になることも多々あります。
カタログやホームページの写真、よく行く場所で見かけるものは、その時の出会いのものですが、手元にも全く同じものが届くということはお約束できないのです。
でも、安全に、遊ぶことには支障がないはずです。素材の選定、安全テストについては厳格です。
一方で、ちょっと塗料にムラがあったり、飛んだり、目の位置が若干離れてたり、などには寛容のようです。
遊ぶことや安全性にあまり関わりがない部分への感覚、個性を肯定的に捉える方針でつくられている感覚を、日本に持ってくると、ズレが生じるかな、ということはあります。
木そのものについては、ドイツは森と共に生きてきて、木は生き物であることをよく知っています。木目や節はシワやほくろみたいなものなのでしょう。ああ、そこにあるね、生き物だからね、という感覚みたいです。
選ばれて輸入された木のおもちゃは、本当にかわいいです。デザインが素晴らしいです。持っていて嬉しく、飾って気持ちが上がります。でも、理想そのものに出会うにはメーカーの倉庫に選びに行くしかないかもしれません。
店に並んでいるものや、オーダーして届くものは、その時出会ったものとなります。
とぼけた表情かもしれません。
木の色が濃い目の箇所を使っているかもしれません。
遊んでほしくて、しっかりつくられて、遠い日本までやってきたおもちゃ達。これから一緒に遊ぼうね、と受け入れていただけると嬉しいです。おもちゃの方も、出会いたくてご縁があったのかもしれません。
ドイツさん、案外うっかりです。
パーツが足りない!ということはたまにあります。そういったときはすぐに補充させていただきます。
想定を外して木目から亀裂が入ったり、鋭利に欠けたり、安全性を脅かすことも稀にあります。その時もすぐにお知らせいただけたらと思います。たくさん遊んでちょっと壊れたものなら、ボンドで修理もできます。
新しいおもちゃが入ってきて箱を開けるときは今でもドキドキワクワクします。おもちゃとの出会いは嬉しい瞬間です。できるだけ、その瞬間が喜びであるよう、店としてもできることはしっかり続けていきたいなと思います。
写真は、1970年頃つくられたお馬さんのおもちゃです。
今でも日本よりざっくりなところが多々あるドイツのおもちゃですが、この頃のこれはこれで良い味。