ノアの方舟のおはなし
ノアの方舟は、旧約聖書・創世記の中にある聖書物語です。
神さまが創造された世界の中で、人々は、神さまに背き、だんだん悪くなっていきました。そのことを嘆かれた神さまは、世界を洪水で一掃することにしました。
その際、正しい人であったノアに、方舟を作り、ノアの家族と、あらゆる動物のつがいが方舟の中に入ることを命じました。ノアは言われたとおりに方舟を作り、動物たちを乗せました。
神さまは40日雨を降らせ続け、地上の生き物たちは拭い去られました。方舟に乗った者たちだけが生き残りました。雨が止み、地上の水は少しずつ引いていきました。長い時間がたち、ようやく地上が現れ、生き物たちは、方舟から地上に戻りました。
新しい地上で、神さまは、生き物たちが豊かに繁栄すること、もう二度と世界を洪水で滅ぼすことはしないことを約束され、その印に虹を渡しました。
ザイフェンは、八角形の教会を中心とした信仰深い村です。聖書のお話や、教会の暦がしばしばおもちゃに反映されます。ノアの方舟のおもちゃも、そのような背景の中にあります。
クリスチアン・ヴェルナーさんの伝統的ろくろ製法
Wノアの方舟のデザイナー、クリスチアン・ヴェルナーさんは、おもちゃづくりが主産業となったザイフェン村で責任ある立場にあったヴァルター・ヴェルナーさんの長男です。伝統的なライフェンドレーエン(ろくろ製法)の第一人者として、伝統を守ることと、新しい挑戦を織り交ぜながら確かな技術の継承と、ザイフェン村の発展に尽力しています。
ライフェンドレーエンの技法は公式サイトの動画より。
削り出す加減は、熟練の手が覚えた勘によるものとのこと。
小さいですが、形は特徴をよく捉えており、動物たちの活き活きした様子は見ているだけで元気が出てきそうです。
ヴェルナーWノアの方舟
聖書に書かれている方舟のデザインは次のようになっています。
あなたはゴフェルの木の箱舟を造りなさい。箱舟には小部屋を幾つも造り、内側にも外側にもタールを塗りなさい。 次のようにしてそれを造りなさい。箱舟の長さを三百アンマ、幅を五十アンマ、高さを三十アンマにし箱舟に明かり取りを造り、上から一アンマにして、それを仕上げなさい。箱舟の側面には戸口を造りなさい。また、一階と二階と三階を造りなさい。
ゴフェルの木やアンマという単位はあまりなじみがありませんね。
三階建てとありますが、動物たちを収納できる箱は二段になっています。なんとなく、小部屋があります。すべての動物たちは、方舟の中にしまうことができます。
つがいの動物たちは、雄と雌がわかりやすく区別されています。ちゃんと、ペアであることを守っていて、その違いにはユーモアも感じられます。
とても美しいデザインです。ペアのミニチュア動物がずらりと並ぶ様子は楽しくかわいらしいものです。