店内に入っていただくと、まず、たくさんのおもちゃがあるというご感想をいただくことが多いです。今、レジに登録している「在庫あり」の商品数を調べたところ、2693件でした。(在庫がないものを含めると4671件でした。)色鉛筆の単色1本、本1冊からカウントしているのでこのような数になるのですけど、数字としてみるとたくさんあるなと思います。
この数は、ピーク時からはかなり減っています。だんだんと種類を絞っていきました。講座講師をしている友人から「以前に比べて店内は良いおもちゃの純度が上がった」と評してもらったことがありますが、それはとても嬉しい評価でした。
意図的に絞っていった一方で、廃盤、生産中止が続き、更に減っていく状況です。それでは新しいおもちゃが代わりに入ってきているのかと言うと、そうでもない。そこまでぐっと惹かれないのは、多分おもちゃのせいではなくて、新しい感覚に適応するのに時間がかかっているのだと思います。今選び抜いたおもちゃたちは、何十年も形を変えずに遊ばれ続けてきたもので、新しいおもちゃがそのように残り、育つまでにも時間がかかる。
店として、なくなっていくものは寂しさとともに見送り、新しいものを追いかけていくのか。もちろんそれは必要なことで、いつも、新しく出会うものに好奇心を持ち、追求していく姿勢は持ち続けていたい。また、削ぎ落とされながら残り続けてくれているものをもっともっと深堀りしていく作業もやっていきたい。店としては、後者のほうが得意な方向なのかなと、そんなことを、おもちゃの棚を眺めて考えています。これでいいのかと思うこともあるけれど、きっと、それが良いのだと思います。