おもちゃと人は深く関わっている

取材のご依頼をいただくと妙に構えてしまうのは何年経っても同じで、せっかく取り上げてくださるとのことなのに、いつも申し訳なく思っています。

なぜ苦手だと思うのか、条件反射で拒否するのではなく、落ち着いて考えてみます。
「売れ筋商品、人気商品、おすすめの商品を教えて下さい」
取材していただくと、ほぼ100%いただくこの質問が、やはりどうしても苦手なのです。

おもちゃをモノとして切り離すことができないのだと思います。どうしてもそこに「人」が関わってきます。店のおもちゃは、それで遊ぶ人とセットです。人は一人ひとり違います。確かに販売数が多いものはありますが、同じものでもそれが選ばれるまでのストーリーやその後は違う。なのに、その品物だけ取り上げて「売れています」というのが何かスッキリしなくて、素直に答えられないようです。もっとシンプルに捉えられるようになったほうが良いのかもしれないですが。

おもちゃだけ取り上げて、これはこんなところが素敵で、こんなところが子どもの育ちに良い、なんて紹介されてしまうと、それを使えばそうなる!と思われないかとよく心配します。良いおもちゃは、その子を大人の理想に近づけるのではなく、その子が持っている力を引き出し、伸ばすことができるのだと思います。お届けしたいのは、おもちゃ以上におもちゃを通して得られる未来の希望です。自分で選び、自分で考え、行動する人です。

書いていて自分がめんどくさいし、取材してくださる方が求めてらっしゃる答えはこうじゃないよね…と考え始めると、更に面倒になってしまっていたようです。

22日のイベントにお迎えする岩城敏之さん。お聞きした講演の中で、「本当の賢い子を育てましょ」というお話が印象に残りました。そうそう。大人の理想の賢い子と、本当の賢い子はズレがあって、売れ筋のおもちゃは?と聞かれた時に同じようなズレを思い出しています。面倒がらずに、きちんとおもちゃを通した思いまでお伝えできるように、日頃から深めていく習慣にしたいと思います。

「よく遊ぼう よく学ぼう」まで、あと1週間となりました。
午前の部は多くの方にお断りとなってしまい本当に申し訳ありません。午後もたくさんの方に聴いていただけることになり、当日が楽しみです。私自身がしっかり学び直します!