20代のはじめをアメリカで過ごしました。その時に刷り込まれたこと、海外の食事はおいしくない。
今思うと、アメリカ生活のうち前半は自炊、後半は大学の学食だったせいでしょう。自炊は、とにかく食材や調味料がうまく揃えられなくて、ふりかけご飯や卵チャーハン、シリアル、あと果物、そんな食事ばかりだったと思う。学食は曜日ごとのメニューが決まっていて、飽きました。お菓子も油と砂糖とサイズがbigで合わなかった。おいしかったのはタイ料理のレストランとか、タコサラダとか。
なので、ドイツに行くときも初めてのときは警戒してインスタント味噌汁や梅干しを持っていきました。でも前回不要だったので今回は日本食は持っていきませんでした。ドイツではおいしいと思えるものがいろいろありました。
なんと言ってもパン。
甘いのも、ハードなのも、いろいろあります。
ちゃんとそれぞれに名前があるのだと思うけどなかなか覚えられない。私は硬めで塩味の小ぶりのが好きです。ジャムもはちみつもナッツのクリームも、どれも種類豊富でおいしいけれど、
私はハムやチーズを挟んで食べるのが好きです。
スープがあるときはそのままのパンとスープも◎。
あと、南ドイツはプレッツェルが食べられるので嬉しいです。アメリカでもベーグルはおいしくて好きでしたが、ああいうもちもちした感じが好きなのかも。
ソーセージは、地方ごとにいろいろあるようです。
ミュンヘンの白い茹でたの、ニュルンベルクは小ぶりのニュルンベルガー、フランクフルトは多分そのまま日本のイメージで太めのをよく見かけました。
屋台で焼いていて、パンに挟んで渡してくれます。
それらいくつかの経験の中では、断然ニュルンベルガー。
つけ合わせのホースラディッシュ、ザワークラウト、ポテトサラダ、どれもよく合いとてもおいしい。ポテトサラダは日本のものとは違います。マヨネーズは使わないみたい。南ドイツのポテトサラダのレシピが載っていたので挑戦してみます。
ザワークラウトは大好きで、自宅でも作ったことがあるし、瓶詰めを時々買います。
そのザワークラウトがおいしいと思ったのがプラハでした。ドイツで食べたものより好み。
プラハは独り歩きで、お昼に飛び込んだ食堂で食べたこちら。
カリカリのポテトパンケーキにたっぷりのザワークラウトが挟まれています。ポテトパンケーキはラードで揚げたものと書いてあって、もう、この日の食事はこれで十分。夜は抜きましたが、この濃いめの芋料理とさっぱり酸っぱいザワークラウトがとても良く合っていて、チャレンジしてみて良かった一品でした。私の中では、プラハのザワークラウトがおいしい。
一緒に映っているのはマキアート。ラテとかマキアート、好まれているようで、朝食でも街のカフェでも、屋台でも、どこでもいただけます。そしてとてもおいしいです。乳製品を使ったものにハズレありませんでした。ヨーグルト、アイス、チーズ、みんなコクがあっておいしい。なんだか、野菜も果物も、乳製品もお肉も、みんな味が濃いなと思いました。素材良いと思います。
残念ながらアルコールが体に合わずビールが飲めないことで半分くらい損してますが、味が嫌いなわけではないのでノンアルコールのビールも飲みました。おいしかった!日本でもノンアルコールビールを飲むことはありますが、全然違いました。十分満足。
地方ごとに名物があるようで、その土地の方に教えてもらいながら、クネーデル(芋団子)、シュヴァイネハクセ(骨付き豚スネ肉)、レバークヌーデルズッペ(レバー肉団子スープ)、シュヴァイネブラーテン(豚煮込み)、シュニッツェル(トンカツ)、シュぺッツレ(削いだようなパスタ)、マウルタッシェン(ギョーザみたいな、ラビオリみたいな)、などなど。在住の方にオススメのお店を教えてもらったのでなおさら当たりだったのかもしれません。
日本は、いろんなものを食べます。食に関する好奇心が旺盛だと思う。それもとても楽しいです。ドイツでおもしろいのは、オリーブならオリーブばかり20種類とか、ハムを10種類とか、パンを15種類とか、同じものの中でのバリエーションがすごい。でも同じものばかり食べてる。
乾燥しているので飲み物はかなり必要です。水も有料ですが安く買える時にリットル単位で買っていつも持ち歩いていました。飲食店に入ると、まず飲み物を注文。水もジュースもビールも価格が変わらないから、つい水以外のものを頼んでしまいます。果汁を炭酸水で割ったもの、ショーレですが、これは慣れるとハマり、日本でも果汁100%は炭酸水で割って飲むようになりました。ベリーのジュース、お花のジュース、変わった素敵なものもいろいろあって、それぞれ楽しみつつも、どこに行ってもコーラ、スプライト、ファンタは定番で、これまた好まれているのだと思います。ちょっとイメージ違いでした。
フルーツやベリー類が豊富なのが幸せでした。味は野生的なおいしさ。日本の果物は甘いし、形良いし、歯ごたえ良いし、工夫して大事に作っているのがわかります。だから高級品。それに比べると、もっと適当に実りましたという感じなのだけど、たくさん食べたいとこれくらいが良いです。とてもおいしいものは、ちょっとが良い。
アメリカでケーキがキツかったので(クリームがザラザラ、スポンジがもそもそ、色が派手、激甘)、ドイツのケーキも疑っていたのですが、とてもおいしいです。もともと材料も製法も本場ですよね。さくらんぼのケーキ、りんごのクラフティ、チーズケーキ、どれも日本人好みの甘さと酸味、軽さ。食事自体が食べ切れない量なのでなかなかケーキまで行き着かないのが残念でした。
前回から変化を感じたこと。ドイツは食事も個人主義(?)で、自分の分を自分が食べ支払うから、シェアするという感覚が奇異に映ることを知った前回。なんで空のお皿が人数分必要?なんで人数分頼まないの?それはマナー違反でもありました。でも、7年経って、シェア文化が入り込んできたのでしょうか、今回はシェアに寛容に感じました。一人分が多いし、あれもこれも食べてみたい日本人にはありがたいです。ただ、一人一皿はテーブル係の人にとっても大事なことのようで、メインやサラダ、スープなど、合わせて人数分にはなるように注文しました。
あと、文化の違いは食べ歩き。ガイドさんに、こちらでは年齢に関わらず食べ歩きは普通のことです。気にせずそうしてください、と言われて、禁を犯すドキドキで歩きながらかじると、これが便利。テイクアウトで買っても座って食べるところが見つけられなくて困る日本の日常。軽減税率のテイクアウト・イートインは日本ならではでしょうね。ドイツだったら誰が余分に税金を払って座って食べるもんですか、ってさっさと歩き出すだろうなあ。
よく食べて、よく飲んで、よくおしゃべりするなあと感心するほどです。
ドイツ料理は比較的日本人の味覚に合うと思います。
でもね、帰国して東京から新潟に戻る新幹線の中では故郷金沢の芝寿し。プレミアム。
旅先の食べ物をおいしく感じられるのは、良いことです♪