フレーベルの思想と恩物
フレーベル理論とは『大人が、子どもの持つ全ての可能性を引き出すために、【適したもの】を用いて仲介的役割となり、育つための環境をよりよく形にする』ということだと理解しています。その【適したもの】として整えられたのが恩物です。
恩物は、第1恩物である6色の毛糸球から始まり、系統立って進んでいきます。第1恩物の球から第3恩物の立方体に至るまでを、赤ちゃんから幼児までの知的成長の軌跡としています。第3恩物〜第6恩物までが積木で、幼児教育に積木が取り入れられた最初と言われています。
幼稚園という集団の場に取り入れ、積木遊びを進めていくことで、幼児期に必要な育ちが促されると考えられました。幼稚園、保育園で積木遊びが大切にされることは、今も意味のあることとして多く実践されています。
恩物の積木は基本のサイズが2.5cmです。これは、幼児に手渡すサイズと言うより、教師が積木を保育に取り入れることについて学ぶために縮小したサイズとされています。
大人もその深さに夢中になってしまいます。フレーベルの恩物積木は、保育者や保育者養成、積木好きの大人におすすめです。
子ども向け、集団向けには、フレーベル積木、ウールレンガ積木が適しています。バリエーションとなる積木も種類が豊富です。
恩物積木の遊び方
少ないピースからじっくり遊び込み、だんだんともっと多くのピースや形を生かして遊びたいという思いになってきます。成長に合わせて、数や、形の種類を足していきます。
並べる
間を詰めて並べる、開けて並べる、そこからうまれる長さや形の違いを楽しむ。
積む
積む数によって高さが変わる。高さの変化には規則性があるなどに気づく。
デザインする
積む、並べるを使いこなして模様を作ります。いろんな模様が生まれます。
ネフ社の積木など、25mmを基尺とした積木と合わせて遊ぶと、デザインの幅が広がります。
キーナーモザイクと恩物の立方体はサイズが同じです。
見立てる
小さなお人形など加えると、身近な暮らしの中にあるものに見立てることができます。
恩物積木の種類
第3恩物から第6恩物までが積木です。
第3恩物
第3恩物は、積木のスタートです。立方体はどの面も同じ形です。見る面によって形が違うということがなく、最初に手にする積み木の形として適しています。
立方体8個で構成されています。この8個で、平面遊びや立体遊び、人とのコミュニケーションなどをたくさん楽しむことによって、積み木への導入を試みます。
第4恩物
立方体を半分にスライスして、横につなげたレンガ型(直方体)が第4恩物です。どの面も同じ正方形であった立方体から、見る面によって形が違うことに気づきます。現象の多様性に気づきます。
立方体も、直方体も、一辺を25mmで揃えています。合わせると、同じ長さで重なります。
第5恩物
第5恩物は、立方体を基準にななめにカットしたもので構成されています。2つにカット、そして4つにカットしています。
第5恩物B
立方体から円柱へのバリエーションです。曲線が加わることで、建物や模様には大きな変化が現れます。よりデザイン的な建築物、平面模様をつくるきっかけとなります。
第6恩物
第4恩物のレンガ型からのバリエーションです。レンガ型を縦半分、横半分にカットしています。
箱のデザインは、入荷時期によって異なることがあります。
スライドフタがついています。箱ごと逆さにして、スライドフタを抜き取ると、中の積木をきれいに出すことができます。